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2023-05

Hair Cut 100時間

おととい、美容院で髪を切ってもらってきた。
現在就職活動中の私に、そんな髪型では印象が悪いと思ったのか、妻が気を利かせて近所の美容院の割引きクーポンと散髪代を渡してくれた。
美容院に行くのは1年振りだ。


考えてみたら、4年前から毎年1度は美容院に行っているが、基本的に私は自分で適当に髪を切っている。
今年は就職活動、昨年は自分の結婚式、その前は兄の結婚式、その前は忘れたが、とにかく私はこういった行事があり、さらに割引きクーポンを所有している場合にしか散髪には行かないのだ。
自分で切るので私はいつもヘンテコな髪型をしている。


そういえばどうして私は自分で髪を切るようになったのか思い出してみた。




時は2003年の秋まで遡る。




野球部を引退した高校3年生の私。
野球部に入部して以来ずっと丸坊主だったので、それまでは父親にバリカンで刈ってもらっていたのだが、引退したし、なんとなく違う髪型にしたくなり近所で一番安いという美容院に入ってみた。カット&シャンプーで2000円。


お店に入ると、55~65歳くらいと思われるオジさんが忙しそうにしていた。
その人は頭頂部辺りまで前髪は後退しているのだが、側頭部の辺りの髪の毛は丸みを持たせた感じで伸ばしており、まるでスヌーピーのようだった。そのスヌーピーの耳のような髪の毛は紫色に染められていた。

「いらっしゃい~」と面倒臭そうにスヌーピーは言った。
「この雑誌からなんか髪型選んで!」と渡された雑誌の表紙には「モテヘアー2002!~男のモヒカン特集!」と書いてある。
(2002年は日韓ワールドカップが行われた年なのでベッカムヘアが流行っていたものと思われる。)

仕方なしに一年前の「モテヘアー」をパラパラとめくってみると、当然なのだか、ソフトモヒカンを中心に奇抜なタイプのモヒカンまで、あらゆるタイプのモヒカン頭の男の写真が掲載されている。


野球部上がりのサえない私に、いくらなんでもモヒカンはハードルが高過ぎる…。というか、本当にモテヘアーなのか、モヒカンは?この雑誌一年前にしては少しセンスがズレているような気が…。

タジタジしている私に、さらに追い討ちをかけるようにスヌーピーが、
























「何?君、モヒカンにすんの?」と面倒臭そうに訊いてきた。


















いやいや!!
ちょっと待って!!
お前が渡してきたこの雑誌がモヒカン特集なだけだから!!



「いや~モヒカンはちょっと~。」
とか何とか言いながら急いでページをめくってみるが、いくらページをめくってもモヒカンモヒカンモヒカンモヒカン…。
そりゃそうだ。だってこの雑誌がモヒカンしか掲載していないのだからしょうがない。しかもページをめくればめくるほど、どんどん奇抜なモヒカンの男たちが出てくる。
モヒカンの金太郎飴状態に軽いパニックを起こしていたところ、ようやく奇抜なモヒカン特集を抜け、スポーティなソフトモヒカン特集のページに辿りついた。

これならまだ良い!なんかTrainTrainの頃のヒロトっぽいし!

私は藁にもすがる思いで「これで!これにして下さい!」とスポーティなソフトモヒカンの男の写真を指差した。



するとスヌーピーが、

















「えぇ~!?こんな小さい写真じゃあ俺見えないよ~。もっと大きく写ってる髪型にしてくんない?老眼でさぁ~。」

とか言い出した。


確かにその写真は他に比べて小さかったのだが、だからって大きい写真のにするとマジのモヒカンになってしまう。いくら老眼だからって客に対してそれはさすがにヒドい。

まぁ私も「別の雑誌ないですか?」とか「モヒカンとかじゃなくて、全体的に短くして下さい。」とか言えば良かったのだが、数年振りに散髪に来ていた緊張と、さらに「モテヘアー2002」のモヒカン攻撃によるダメージでワケがわからなくなっていたのであろう。とにかくこのスポーティなソフトモヒカンにせねば私の人生は終わる、と焦ってしまっていた。

恋人の父親に「娘さんを僕に下さい!」というくらいの勢いで「とにかくこの髪型にして下さい!」と必死の形相で懇願し、なんとかスヌーピーの了承を得ることができた。

そしていよいよスヌーピーによるカットが始まった。


「いったいどうなってしまうのか!?」とガチンコファイトクラブのナレーションの人が心の中で叫んでいたのだが、あっという間にカットは終わった。




スヌーピーのカットの腕前は、





…流石は老眼。


雑誌に載っているようなスポーティなソフトモヒカンには全くならず、なんか適当に全体的に短く切ってくれて、それが逆にいい感じだった。

鏡に映る自分の髪型を見てみる。うむ。良い。短くてサッパリしている。

そして支払のとき、
「カット&シャンプーで2000円です。」とスヌーピー。

そして私がお財布からお金を出そうとしていると、こんなことを言われた。







「あ!忘れてたけどワックスとかつけますか?」








それ今訊いてくることか!?

普通はカットが終わった後の仕上げのタイミングで訊いてくるものではないか!!
もう上着も着て帰る支度しちゃってるんですけどー!!


まぁ別にワックスなどつけなくて良い。面倒だし。やんわりとお断りしてそそくさと帰ってきた。




そして家に帰り改めて鏡を見てみると、髪の毛の左右のバランスがどうにもおかしい。
もみあげの長さが明らかに違う。

どうしようかと思った私はそこらへんにあったハサミを使って自分で調整してみたら、さっきよりもいい感じになった。

そう!

このときに初めて私は自分で髪の毛を切ったのだ。



この後も、「安い」というだけの理由でこのスヌーピーがやってる美容院で切ってもらっていたのだが、今思い返してみると、結局帰った後に自分で微調整をしていたような気がする。

このお店には何か月かに一回のペースで通っていたのだが、いつまで経っても「モテヘアー2002!~男のモヒカン特集!」がラインナップされていた。いつモヒカンにされてしまうのかビクビクしていたのだが、何度か通ううちに私も慣れてきて、「全体的に短くして下さい。」という魔法の言葉を唱えられるようになった。

それから数年間この美容院に通っていたのだが、切った直後に家で自分で微調整するぐらいなら最初から自分で切った方が早いということに気が付いた(!)というのと、
一人暮らしを始めるために引っ越しをしたので、それ以降はこの美容院には行っていない。

このスヌーピーの美容院に関して、もう一つエピソードがあるのだが、長くなってしまうのでそれについてはまた次回書くことにする。気になる方は次回もチェックしてみて下さい。

長くなったが、こういった経験を経て私は自分で髪を切るようになった。いつも変な髪型だけど、自分で切ったのだったら納得できる。これでいいのだ。

でももし高校3年の秋にすごく上手な美容師に髪を切ってもらっていたなら、今頃は「モテヘアー2015」を読みふけっていたかもしれない…。




連続100時間のライブのお知らせ

3月19日(木) 浅草KURAWOOD
EMPTY KRAFT / Da Vincis / SEVEN DAYS WEEKEND / The ドーテーズ / 連続100時間 / 佐々木祐紀

開場18:00/開演18:30 前売り.¥1,500/当日¥2,000

※連続ちゃんは19時5分くらいから出演予定。
美容院に行ってどんな髪型になったのか気になるって人は観に来てください。

これ以降はしばらくライブが出来ない可能性もあるので、この機会をお見逃しなく!





IMG_0128.jpg


関係ないんですけど、亀有雪まつりっていうのがあって写真撮ってきました。
亀有駅前にドラえもんと両さんが並んでるのでついでに私も並んでみました…。



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コメント

自分ちの近くに朝昼までカットのみ690円という価格破壊のヘアサロンがあってお世話になってます。

そりゃすごいですな!690円って価格設定も絶妙ですね!
当時はうちの近所に1000円カットとかもまだなくて、床屋に行くと3000円くらい普通にしてましたよ。良い時代になりましたね。

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連続100時間という名前でライブをしております。「俺たちの理想」のメンバーでもあります。
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